◎ISO50

GシリーズはISO感度50の設定も設定できます。この感度の採用により、Gシリーズの生み出す画像はさらにノイズの少ないものとなりました。(これはhttp://www.dpreview.com/reviews/canong1/でもレポートされています。)下の写真は、左はISO100で撮影したもの、右はISO50で撮影したものです。それぞれ左側のスピーカー部分を拡大して、見てみるとその差はすぐに分かります。ISO50の方がなめらかでノイズが少ないですね。

ISO100 ISO50 左がISO100画像で、右がISO50画像です。クリックして拡大図を比較してみてください。

◎ノイズリダクション機能

どうしてもシャッター速度が遅くなるとCCDの特性により(よく分かっていませんが、Gシリーズの取扱説明書にそう書いてある)、画像にノイズが出ます。しかし、Gシリーズではこのノイズがよく抑えられています。特にシャッター速度が1.3秒以上(1秒以上から働いているように見える?)になるとノイズ除去の処理を行います。これをノイズリダクション機能といいます。英語では noise reduction となります。reduction は「減少」という意味です。動詞形は reduce です。(これは職業病です。ほっときましょう。)下の画像を見比べてください。左の方は全くのオートです。シャッター速度は1/8、絞りはF2.0です。クリックして画像を拡大すると夜の空に横にノイズが走っています。ざわざわとした感じがします。左の方はシャッター速度1.6、絞りはF2.0です。シャッター速度が遅いので、画面が明るくなり、さらにノイズリダクションが効いて、夜空にざわざわという感じがありません。暗くてよく分からない場合は、その下の写真を比べてください。これは、PhotoshopLEでレベル調整をしてみたものです。二つの画像の差は歴然としています。

シャッター速度1/8
絞りF2.0
ISOオート
シャッター速度1.6
絞りF2.0
ISO50

ノイズリダクションなし

ノイズリダクションあり

先日、夜景を撮ったときのノイズリダクションあり、なしの拡大画像を付け加えておきます。
シャッター速度1/4(ノイズリダクションなし) シャッター速度1.6(ノイズリダクションあり)

◎バリアングル液晶モニター

Gシリーズの液晶モニターはなんと角度がくるくる変わるのです。
従って、液晶モニターが動かないカメラでは撮れないような角度からの撮影も可能なのです。
液晶モニターが実際に動くところをGIFアニメで再現してみました。いかがでしょうか?
その右の画像はデジタルカメラマガジン2000年12月号のものです。
液晶モニターを傷つけないように閉めてしまうこともできれば、一回転して普通のカメラと同様に液晶モニターを出しておけます。
DOS/V Magazine 2001 2/15 号にも液晶モニターの画像が掲載されていたので、右端に加えておきます。
この雑誌のレビューでは、どのデジタルカメラが最もマニュアル撮影に向いているかを比較検討しています。

このように液晶モニターの角度が変わるおかげで下のような写真も撮れるのです。アングルの幅がひろーくなります。

下からシクラメンを見上げるようなアングルです。普通のカメラであれば寝ころばなければ無理な角度です。

また、自分を撮るときにも便利ですね。液晶を自分の方向に向けて、液晶で確認しながらシャッターを押せばよいのです。マクロ撮影にした方がボケません。
自分を撮りましたが、恥ずかしいのでフィルターをかけてしまいました。まあ適当に流してくださーい。
みなさんもこの液晶モニターを活用して斬新な写真を撮りましょう。

◎RAW画像について

(1)RAW画像とは?
CCDからの出力をそのままファイルにしてあるものです。撮ってそのままのファイルですから、下のように現像前にホワイトバランス(白点指定を含む)、コントラスト、シャープネス、色の濃さを調整できます。従来、jpegでは撮ったあとにこのような調整はできませんから、あとからいろいろとかえられるという点がRAW画像の利点と言えます。(白点指定とは画像の中で白いと思う部分を指定することです。)

(2)RAW画像の現像
RAW画像は出力されたままですから、現像しなければなりません。現像をすると tif 形式や jpeg 形式に変換できて画像処理ソフトで見ることができます。別売ソフトのZoom Browser EX があれば、簡単にRAW画像を読み込み、現像することができます。画像をダブルクリックするととりあえず、tif に変換して表示してくれます。しかし、このソフトがなくとも、RAW画像は、Gシリーズ用の TWAIN DRIVER がインストールされており、Photoshop や PhotoDelux などTWAIN機器から画像を読み込めるソフトがあれば、tif や jpeg に変換でき、編集もできます。その手順をご紹介しましょう。(USBケーブルを使用しているときは、USB接続用のTWAIN DRIVERを、そうでないときはRS232C接続用のものを使用してください。)では、まず、TWAIN機器の選択を選び、Canon PowerShot G1などのGシリーズを選びます。

そして、次にTWAIN機器から入力を行うとこのような画面が出てきます。ここで画質の調整をする場合には「RAW調整」を選べばよいのです。そして調整したあとに画像を取り込む場合には取り込みを押します。ここで、Photoshop などに画像が転送され、自由に編集できるようになります。CFから画像を読み込む場合はマイコンピュータを選択してCFのドライブを探して、さらにそのドライブの中から画像を選択します。

では、実際にRAW画像を現像し、jpeg に変換したものを見てみましょう。


これは「ホワイトバランス:蛍光灯、コントラスト:標準、シャープネス:標準、色の濃さ:標準」です。


これは「ホワイトバランス:太陽光、コントラスト:強く、シャープネス:強く、色の濃さ:濃く」にしてみました。
違いが分かるようにちょっと極端な設定にしてみました。
あとで、いろいろといじりたいなぁという画像はRAWで撮るといいですね。こんなことができるG1はやっぱりすごいですねー。
もしみなさんのRAW画像活用例があれば掲示板に載せてください。よろしくお願いします。

画像関係の単語帳(今回の説明は専門用語がありましたので、参考にしてください。)
1.TIFF
TIFF(ティフ)は「Tagged Image File Format」の略。ファイルは 〜.tif となる。異なる機種やOS(オペレーティングシステム)間で扱え、一度圧縮しても元に戻せるというメリットがあるため、DTPソフトの多くが対応している。RAW画像をTIFFで保存すると約9M(!)になる。
2.JPEG
JPEG(ジェイペグ)は「Joint Photographic Experts Group」の略。ファイルは 〜.jpeg あるいは 〜.jpg となる。ファイルの大きさが小さいわりには画質の劣化が目立ちにくいというメリットがあるため、インターネットで一般的に使用されている。超有名!
3.RAW
英和辞典からの引用。読み方は「ロー」。
1.料理していない,生(なま)の a raw onion  生のタマネギ eat oysters raw  カキを生で食べる.
2 《通例限定》加工していない,未精製の,原料のままの;《主に米》〈酒などが〉未熟な;〈フィルムが〉露光していない

プログレッシブ英和中辞典 第3版 小学館 1980,1987,1998より

◎豊富なホワイトバランス設定

「ホワイトバランス設定する」とは、太陽光や蛍光灯などの光源の中で各色が適切に見えるように調整することです。今回は蛍光灯の元で、それぞれのホワイトバランス設定がどのように働くかをお見せします。太陽光、電球、蛍光灯といったホワイトバランス設定を指定することで白や他の色がどのように見えるのでしょうか?

オート 太陽光 曇天 電球
蛍光灯 ストロボ マニュアル

状況を判断して適切なホワイトバランスを設定する「オート」と、蛍光灯の光の元で適切なホワイトバランスを設定する「蛍光灯」の画像がほぼ同じですから、Gシリーズのホワイトバランスはしっかり働いているようです。さらに、「オート」と「蛍光灯」の画像は、撮影場所で「白」を取り込んでホワイトバランスを調整する「マニュアル」の画像とも同じですね。また、太陽光、曇天の自然光では、色が黄色がかって調整されることが分かります。電球、蛍光灯の照明光では、色がやや青みがかって調整されます。Gシリーズのホワイトバランスの設定は「ストロボ」・「マニュアル」まで含んでおり、かなり豊富で、なんか幸せです。(G2とG3では蛍光灯Hも加わりました。)

◎連写機能

光学3倍ズームレバーの下にセルフタイマーと連写機能を選択するボタンがあります。そのボタンを1回押すと連写が可能になります。AUTOモードと動画モードでは連写機能は使えません。また、スティッチアシスト機能との同時使用もできません。G1のユーザーズガイドによれば、ラージ、ファイン、液晶モニターオフで約1.7画像/秒の速さで連写ができるそうです。Gシリーズの連写機能の内部メモリーは他機種に比べて多く、ミドル、ファイン、液晶モニターオンで60枚ほど連写ができました。より書き込みの早いCFやマイクロドライブを使うとさらに連写性能が向上すると思います。今日写した画像をGIFアニメにしてみました。ミドル、ファイン、液晶モニターオンで撮った画像をウェブであまりダウンロードに時間がかからないように縮小しています。GIFアニメでは14画像を連続して見せて、それを無限に繰り返す構成にしてあります。とりあえずこんなことができるということです。(GIFアニメは約400Kです。ちょっと表示に時間がかかります。)


夜の交差点

◎画質の調整

Gシリーズは画像の画質を自分の好みに調整することができます。コントラスト、シャープネス、色の濃さをそれぞれ3段階に調整できるのです。実際の調整の具合は下のサムネイルをクリックして大きな画像をご覧ください。すべてが弱めですとやはりかなりぼやけた印象になりますし、すべて強めにするとかなり色がはっきりとした印象を受けます。自分の好みを探して、その好みの色で写真を撮る。楽しいですね。

コントラスト:弱め
シャープネス:弱め
色の濃さ:弱め
コントラスト:標準
シャープネス:標準
色の濃さ:標準
コントラスト:強め
シャープネス:強め
色の濃さ:強め
左から:すべて弱め、標準、強め

◎パノラマ大写真(スティッチアシスト機能)

この機能を使うと撮影した画像を接続キット付属ソフトPhotoStitchでパノラマ写真にできます。意外と簡単にできて、仕上がりも上々のなので使えます。大きく引き延ばすとちょっとつなぎ目が目立ったり、ずれていたりもします。しかし、隣り合う画像の共通部分を最低でも30%にすれば(マニュアルのまんま)、実用になります。しっかりとした被写体が共通部分にあると合成しやすいようです。下の左側の写真は5枚の写真を合成したもので、右側は2枚の写真の合成です。新聞記事などのメモを取るときには、字が読めるように近づくと1枚では収まりきれませんが、この機能があれば安心です。(ここに載せた画像はサイズを見やすいように縮小していますが、実際には容量が大きく(1M超)、サイズもかなり大きい画像になります。)

自宅からの風景 新聞の一面広告

◎ストロボ調光

G1ではストロボの発光量を調整できるのを知っていましたか?−2〜+2の範囲で調整できます。室内で比較的近距離からものを写しますとストロボの発光量が多すぎてあれ?ってな画像になります。(写真左)そんなときはちょっと発光量を調整すると自然な感じに仕上がります。(写真右)ストロボの発光量が不自然だと言う人は試してみる価値があるかもしれません。発光量の調整はホワイトバランスや露出を調整するボタンを押すと稲妻マークのついたページが液晶上に現れますから、それで調整します。(G3ではFUNCボタンを押して調整します。)

標準の発光量
黒が白く写っていておかしいですね。
−2ほど発光量を落とした画像。なかなか自然な感じです。




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