FUJIFILM X-T1のレビュー総まとめ(7月11日更新)

2015/07/11にアップデートしました。

私が所有するFUJIFILM X-T1についての印象です。
(ファームウェアのアップデートごとに更新します。オリジナルの記事は2014/5/14(ソネブロ)です。)

比較の対象はオリンパスのOM-D E-M1や以前にお借りした富士フィルムのX-E2です。

≪外観について≫
カッコイイの一言。何度も見てもほしいと思わせるデザイン、ちょうどよい大きさ、重さがいい!

≪EVFについて≫
OM-D E-M1の液晶ビューファインダーと見やすさは同等であるが、マニュアルフォーカス時に被写体全体と合焦部分を別々に二画面表示できるのは使いやすい。ファインダーが大きいからこそ可能となる表示である。縦位置にカメラを構えると情報表示も縦型に切り替わる。ただ、ファインダー内の明るさは自動的に調節されないので例えば曇りの日にはややファインダー内が暗く感じた。OM-D E-M1にはファインダー内の明るさを「自動調節」する機能がある。しかしながら、光学ファインダーの自然さに近づくには自動調節されない方がよいと言える。

≪MFについて≫
オールドレンズ使用時にファインダー内に被写体全体とデジタルスプリットイメージを表示でき、合焦が確実なものとなった。OM-D E-M1はMF時に合焦させたい部分の拡大表示のみに対応しており、被写体全体が見えず、フレーミングに不安あり。

≪画質について≫
フィルムメーカーの意地にかけて、ノイズ処理、「自然な」色表現で紛れもなく一級品である。OM-D E-M1も高画質であるが、iFinishの色再現はX-T1と比較すると課題が残る。

≪ダイヤルオペレーションと操作ボタンについて≫
これはメニュー操作中心のOM-D E-M1と最も異なる点である。カメラ上面のダイヤルでISO感度、シャッタースピード、露出補正が出来るが、ファインダーを覗きながらの設定はややつらい。理由はISO感度とシャッタースピードの変更にはダイヤル中央の出っ張りを押しながら変更をしなければならないからだ。露出補正ダイアルにはそのような制限がないので、難なく変更できる。また絞り値の変更はレンズリングで出来るので直感的で素晴らしい。操作ボタン(レバー)は小さく、平たいので、素早い切り替えには向いていない。X-T1はじっくりと撮影セッティングを追い込む撮影スタイルに向いているのではないかと思う。
(上がE-M1、下がX-T1 X-T1のボタンは出っ張っていない。)
DSCF0566 XQ1 (6.4mm, f/1.8, 1/60 sec, ISO400)
DSCF0568 XQ1 (6.4mm, f/1.8, 1/100 sec, ISO400)

≪シャッタースピードについて≫
上限が1/4000であると、昼間に明るいレンズが使えない。例えば今回一緒にお借りしているXF56mmF1.2 Rを使ってみたが、絞り開放では露出オーバーの写真になってしまった。現状ではNDフィルターが必要になる。→とりあえずファームウェアVer.3.0で1/32000までの『電子』高速シャッターが可能になりました。メカニカルシャッターで1/8000が他の一眼レフと同じでいいのですが、とりあえず、露出オーバーは解決します。

≪アドバンストフィルターモードについて≫
マニュアルフォーカスレンズをつけてアドバンストフィルターモードにするとデジタルスプリットイメージを使う二画面モードが使えなくなる。合焦したい部分を拡大表示することは出来る。

≪動体撮影について:新AFシステム≫
新ファームウェアではAFエリアとコンティニュアスAFを組み合わせて動体を撮影する。AFエリアはゾーンとトラッキングがある。トラッキングは「上下左右に動く被写体や、カメラに近づいたり遠ざかったりする被写体でもピントを合わせ続けることが可能。」とHPにある。実際に連写をしてみたが、秒8枚の連写が、等間隔に47枚まで連写できる。(私の環境では37枚まで。)コンティニュアスAFは合焦優先がデフォルト設定で、高速連写を選択すれば、ファインダー内が安定する。低速連写や単写を選択すると軽くぼやけたり、合焦したりを繰り返すので、コンティニュアスAFの場合には高速連写を選択するのが原則。ファームウェアのヴァージョン4では確実にコンティニュアスAFとAFシステム全体が進化した。X-T1を選んでよかった。コンティニュアスAFの記事はここにあります。

≪顔キレイナビについて≫
他社で言うところの顔認識AFであるが、これを選択するとAFのエリア選択が出来なくなる。→ファームウェアVer.3.0で可能になりました。他のミラーレスと同等です。ポートレート撮影で顔キレイナビは絶大な威力を発揮します。Ver.4.0では瞳AFが可能になりました。ポートレートには必須のAFです。

≪安っぽくないキットレンズ≫
X-E2のレビューの時にも書いたが、XF18-55mmF2.8-4 R LM OISから出てくる画像は標準以上のレベル。この小ささに手ぶれ補正機構を組み込んでさらにF2.8からの明るさは他社のキットレンズにはない。

≪フィルムシミュレーションについて≫

スタンダードのプロビア、派手目のベルビア、やさしいアスティアについての差は
http://kazutoku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-17を見てほしい。

薔薇の撮影にはアステアが良いと感じています。やさしい色が薔薇と合う。
http://kazutoku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-19

ポートレート用のプロネガスタンダードとプロネガハイはこの記事を参照のこと。プロネガハイはややスタンダードに比べてコントラストが高くきりっとした感じだ。
http://kazutoku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-04

≪XF56mmF1.2 Rについて≫
室内での撮影ではF1.2のレンズの明るさはありがたい。しかも絞り開放からピントの合ったところはカチッと写る。ボケの部分も自然な感じ。モデルの肌の状態まで分かるほどの写り具合だ。キヤノンのフルサイズイメージセンサー対応EF85mm F1.2L II USMとマイクロフォーザーズのLEICA DG NOCTICRON42.5mm F1.2(手ぶれ補正付き)が20万円と18万円くらいなので、同等の性能で半額であるXF56mmはある意味お買い得だ。ただ、レンズについている絞りリングが少し触れると回る。このようなレンズに不慣れな私は撮影中に意図せず絞り優先モードに入って撮影をしていた。モデルと話していると気づかなかった。(言い訳か。。。)

≪≪まとめ≫≫
X-T1は本当にオールランドの素晴らしいカメラです。特にカメラが作り出す色合いが素晴らしいです。ノイズも不自然ではありません。液晶ビューファインダーの見え方も素晴らしいです。写真を撮る道具として最高です。

DSCF8124 X-T1 (21mm, f/0, 1/120 sec, ISO200)

マニュアルレンズなので絞り値の記録がおかしいが、実際にはF4ぐらい。

DSCF9054 X-T1 (56mm, f/1.6, 1/150 sec, ISO200)

この記事は本家Digital Camera Diaryの以下の記事に基づいています。

http://kazutoku.blog.so-net.ne.jp/2014-04-28

http://kazutoku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-05


「FUJIFILM X-T1のレビュー総まとめ(7月11日更新)」への5件のフィードバック

  1. とても参考になりました。
    今フィルム機1Vから70Dまで6台ほど持ってるキャノン機を整理してD810とXT1に絞り込もうかなどと考えつつ子供の運動会やスポーツ用に70Dは残しておくべきかなどとアホですが楽しく悩み中です。今後も時々寄らせて頂きます。

    1. コメントありがとうございます。
      結局、私もフルサイズ機とAPS-C機に絞られ、現在では一眼カメラは3台です。鳥も撮るので、7DMkIIは持ち続けています。どうぞ、時々お立ち寄りになり、気軽に書き込んでください。

  2. X-T1の記事、とても参考になりました(^_^)

    当方、Panasonic GX7持ちのもので、もう一台検討していたところでして…

    ジックリ風景や被写体を狙うX-T1か、レース等も撮るのでNikon D7200にするかとても検討中です(´・ω・`)(ちなみに現在はGX7でどちらも賄い中)

    しかしこの記事を見ているとX-T1が欲しくなりますねぇ(^_^)

    1. コメントをありがとうございます。
      レースを撮るとなると、X-T1ではAFシステムのアップデートで動体対応能力は上がりましたが、役不足かもしれませんね。X-T1はなかなかいい色を出すので、中古でもいいから手に入れてみてください。レンズも単焦点、望遠共になかなかよいものが揃っています。

  3. お返事ありがとうございます(^_^)

    正直心の中ではミラーレスの今後の動体撮影能力向上を願ってX-T1にしようかなって思ってたりします(笑)(GX7でもそこそこのは撮れるので)

    貴重な情報ありがとうございます(^_^)

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