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OM-D E-M1Xについて感じること。

使い出してすぐに気づいたことなのですが、EOS RでもGX7 Mk3でも画像を背面の液晶に表示させて、液晶ファインダーを覗くとそのままその画像が表示されていて、細かくチェックができます。しかし、このOM-D E-M1Xではそれができません。液晶画面に画像を表示させて、ファインダーを覗くと画像の再生は解除されてしまいます。ファインダーを覗いたまま再生ボタンを押さなくてはなりません。ファインダーを覗くと自動的に背面液晶からファインダーに切り替わる設定にすると上記のようになります。

 ボタンを押して、ファインダーと背面液晶を切り替えるようにするとまたこれはこれで面倒です。これだけカスタマイズができるOM-D E-M1Xなのに何でしょう、この仕様は。。。

 いろいろ調べてみましたが、ファインダーで画像を確認したいときはファインダーを覗いてから、再生ボタンを押す以外に方法はないようです。(他にあったら、是非教えてください。)ファインダーで画像を表示させてから目を離すと背面液晶に画像が表示されます。目を背面液晶→ファインダーでは画像表示はリセットされますが、ファインダー→背面液晶の順ですと画像は表示されたままです。AFの速さ、連写性能、画質の良さなど、素晴らしいカメラなのになあ。

OLYMPUS CORPORATION E-M1X (420mm, f/5.6, 1/800 sec, ISO320)
シジュウカラ
OLYMPUS CORPORATION E-M1X (420mm, f/5.6, 1/800 sec, ISO2000)
カルガモです。
OLYMPUS CORPORATION E-M1X (420mm, f/5.6, 1/1000 sec, ISO2000)
カラス、飛ぶ!

OM-D E-M1Xの凄さ

久しぶりに晴れたのでカメラを表に持ち出しました。家の周辺だけでもAFの速さや正確さ、連写性能を確認できました。

OLYMPUS CORPORATION E-M1X (420mm, f/5.6, 1/1000 sec, ISO500)
OLYMPUS CORPORATION E-M1X (420mm, f/5.6, 1/800 sec, ISO500)
OLYMPUS CORPORATION E-M1X (420mm, f/5.6, 1/1000 sec, ISO500)
スズメガです。
OLYMPUS CORPORATION E-M1X (420mm, f/6.3, 1/1000 sec, ISO500)
スズメの水浴びです。

FUJIFILM X-Pro2レビューのまとめ

FUJIFILM X-Pro2のレビューをまとめ(1)に書き加える形で総括します。

大きさ・筐体:
X-T1より少し横幅が長いが、X-T1より高さはない。しかし、大きな光学ファインダーのおかげで大きく見える。
私はそれほど手が大きくはないが、持ってみるとしっくりくる。大きすぎない。筐体はしっかりとしている。
X-T10との比較では、X-T10より厚みがあり、一回り大きい。(下の写真参照)
DSC01028SONY DSC-WX350 (7.31mm, f/4, 1/50 sec, ISO200)

ファインダー:
光学ファインダーと液晶ビューファインダーがレバー一つで切り替えられる。液晶ビューファインダーの方がフレーミングが正しく出来る。が、光学ファインダーを覗きたいこともあるという少しワガママな欲求を満たすファインダー。ERF(エレクトリックレンジファインダー)が追加された。ERFとは光学ファインダーの右下に合焦が確認できるEVF像を表示するファインダーである。(下の写真参照)
IMG_2152

シャッターフィーリング:
適度に軽い。X-T1やX-T10より(私は)よいと思う。

ボタン操作性:
たいていのボタンは盛り上がっているので、押しやすい。ただ、QボタンとAF-Lだけは出っ張っておらず、押しにくい。(写真上)特に便利なのはDRIVEボタンとメニューボタンの周りのセレクターファンクションボタン。(写真下)
DSC01022SONY DSC-WX350 (4.3mm, f/3.5, 1/30 sec, ISO200)
DSC01020SONY DSC-WX350 (4.3mm, f/3.5, 1/10 sec, ISO800)

DRIVEボタンを押せば、アドバンストフィルターさえ使用できる。
よく使うボタンが液晶モニターの右に集まっているので、操作性がよい。(下の画像参照)
そしてフォーカスレバー:
これは使いやすい。瞬時に斜めの動きを入力できる。(下の画像参照)
ただし、カメラを首からかけて歩いていると、腹部に当たって、フォーカスレバーが動くこともある。撮影時にフォーカスポイントの位置を確認する必要がある。
DSC01042_1SONY DSC-WX350 (9.75mm, f/4.5, 1/30 sec, ISO800)

X-T10の背面写真(下の画像)と比較してほしい。X-T系は左側に画像再生ボタンと削除ボタンがある。さらにその上にはダイヤルもある。左手も使わなければならない。
DSC01051_2SONY DSC-WX350 (4.3mm, f/3.5, 1/30 sec, ISO800)

露出補正:
大きな単独ダイヤルで変更可能(プラスマイナス3段分)。非常にやりやすい。(下の画像参照)
より広く露出補正をしたい場合は単独ダイヤルをCに合わせて前面のフロントダイヤルで操作する。
プラスマイナス5段階分の補正ができる。(さらに下の画像参照)
DSC01050_2SONY DSC-WX350 (4.3mm, f/3.5, 1/30 sec, ISO320)

DSC01048_2SONY DSC-WX350 (4.3mm, f/3.5, 1/30 sec, ISO320)

http://kazutoku.blog.so-net.ne.jp/2016-04-04(この記事はボタン関連について詳しく述べている。)

フィルムシミュレーションACROS(アクロス):
ハイライト部分から粒状感を排除したり、本物のモノクロ写真に近い画質を目指すフィルムシミュレーション。
味があるフィルムシミュレーションでとことん使いたくなる。以下の画像がACROSである。
XPRO3435FUJIFILM X-Pro2 (35mm, f/2, 1/60 sec, ISO500)

画質:
色が自然で素晴らしい。高感度でもISO3200までならいけると思う。正直、ISO12800でも縮小すればいけそうな感覚はある。やはり富士フイルムのカメラは高感度に強い。

高感度ノイズの記事:http://kazutoku.blog.so-net.ne.jp/2016-04-03

AF:静止画のAFは速さと精度、両面において満足できる。しかし動体AF(コンティニュアスAF)は7D MkIIなどの一眼レフと比較すると劣る。早く追いついてもらいたい。

AF-Cについての記事:http://kazutoku.blog.so-net.ne.jp/2016-05-02

メカニカルシャッタースピード1/8000:
やはり明るいレンズのボケを楽しむには高速シャッタースピードが必要。
作例:ここでは絞りがF4で、シャッタースピードが1/7000
XPRO4560FUJIFILM X-Pro2 (23mm, f/4, 1/7000 sec, ISO400)

グレイン・エフェクト:
画像全般に粒状感を与え、フィルム写真のテイストに近づける。ACROSと併せてフィルムに対する富士フイルムの強いこだわりを感じる。ACROSはモノクロフィルムをシミュレートし、粒状感も画像に加えるので、グレイン・エフェクトとの併用は避けた方がよい。グレイン・エフェクトは、OFF、弱、強と効果の程度を変えられる。

グレイン・エフェクトの記事:http://kazutoku.blog.so-net.ne.jp/2016-04-11

バッテリーの持ち:
300枚以上撮る場合にはスペアバッテリーが必要。バッテリーの減りは速い。

ほぼ液晶モニターの右側に主なボタンとダイヤルが配置されており、手にした瞬間に使い易いと感じた。
ファインダーから目を離すことなく、操作できるからだ。これはよく考えられている。
ダイヤルによる操作にこだわりすぎない点が素晴らしい。
Xシリーズのフラッグシップとして君臨するにふさわしい機種である。
もし他社のデジカメの画質やユーザビリティに疑問を感じているのであれば、是非手にとってもらいたい。


FUJIFILM X-T1のレビュー総まとめ(7月11日更新)

2015/07/11にアップデートしました。

私が所有するFUJIFILM X-T1についての印象です。
(ファームウェアのアップデートごとに更新します。オリジナルの記事は2014/5/14(ソネブロ)です。)

比較の対象はオリンパスのOM-D E-M1や以前にお借りした富士フィルムのX-E2です。

≪外観について≫
カッコイイの一言。何度も見てもほしいと思わせるデザイン、ちょうどよい大きさ、重さがいい!

≪EVFについて≫
OM-D E-M1の液晶ビューファインダーと見やすさは同等であるが、マニュアルフォーカス時に被写体全体と合焦部分を別々に二画面表示できるのは使いやすい。ファインダーが大きいからこそ可能となる表示である。縦位置にカメラを構えると情報表示も縦型に切り替わる。ただ、ファインダー内の明るさは自動的に調節されないので例えば曇りの日にはややファインダー内が暗く感じた。OM-D E-M1にはファインダー内の明るさを「自動調節」する機能がある。しかしながら、光学ファインダーの自然さに近づくには自動調節されない方がよいと言える。

≪MFについて≫
オールドレンズ使用時にファインダー内に被写体全体とデジタルスプリットイメージを表示でき、合焦が確実なものとなった。OM-D E-M1はMF時に合焦させたい部分の拡大表示のみに対応しており、被写体全体が見えず、フレーミングに不安あり。

≪画質について≫
フィルムメーカーの意地にかけて、ノイズ処理、「自然な」色表現で紛れもなく一級品である。OM-D E-M1も高画質であるが、iFinishの色再現はX-T1と比較すると課題が残る。

≪ダイヤルオペレーションと操作ボタンについて≫
これはメニュー操作中心のOM-D E-M1と最も異なる点である。カメラ上面のダイヤルでISO感度、シャッタースピード、露出補正が出来るが、ファインダーを覗きながらの設定はややつらい。理由はISO感度とシャッタースピードの変更にはダイヤル中央の出っ張りを押しながら変更をしなければならないからだ。露出補正ダイアルにはそのような制限がないので、難なく変更できる。また絞り値の変更はレンズリングで出来るので直感的で素晴らしい。操作ボタン(レバー)は小さく、平たいので、素早い切り替えには向いていない。X-T1はじっくりと撮影セッティングを追い込む撮影スタイルに向いているのではないかと思う。
(上がE-M1、下がX-T1 X-T1のボタンは出っ張っていない。)
DSCF0566 XQ1 (6.4mm, f/1.8, 1/60 sec, ISO400)
DSCF0568 XQ1 (6.4mm, f/1.8, 1/100 sec, ISO400)

≪シャッタースピードについて≫
上限が1/4000であると、昼間に明るいレンズが使えない。例えば今回一緒にお借りしているXF56mmF1.2 Rを使ってみたが、絞り開放では露出オーバーの写真になってしまった。現状ではNDフィルターが必要になる。→とりあえずファームウェアVer.3.0で1/32000までの『電子』高速シャッターが可能になりました。メカニカルシャッターで1/8000が他の一眼レフと同じでいいのですが、とりあえず、露出オーバーは解決します。

≪アドバンストフィルターモードについて≫
マニュアルフォーカスレンズをつけてアドバンストフィルターモードにするとデジタルスプリットイメージを使う二画面モードが使えなくなる。合焦したい部分を拡大表示することは出来る。

≪動体撮影について:新AFシステム≫
新ファームウェアではAFエリアとコンティニュアスAFを組み合わせて動体を撮影する。AFエリアはゾーンとトラッキングがある。トラッキングは「上下左右に動く被写体や、カメラに近づいたり遠ざかったりする被写体でもピントを合わせ続けることが可能。」とHPにある。実際に連写をしてみたが、秒8枚の連写が、等間隔に47枚まで連写できる。(私の環境では37枚まで。)コンティニュアスAFは合焦優先がデフォルト設定で、高速連写を選択すれば、ファインダー内が安定する。低速連写や単写を選択すると軽くぼやけたり、合焦したりを繰り返すので、コンティニュアスAFの場合には高速連写を選択するのが原則。ファームウェアのヴァージョン4では確実にコンティニュアスAFとAFシステム全体が進化した。X-T1を選んでよかった。コンティニュアスAFの記事はここにあります。

≪顔キレイナビについて≫
他社で言うところの顔認識AFであるが、これを選択するとAFのエリア選択が出来なくなる。→ファームウェアVer.3.0で可能になりました。他のミラーレスと同等です。ポートレート撮影で顔キレイナビは絶大な威力を発揮します。Ver.4.0では瞳AFが可能になりました。ポートレートには必須のAFです。

≪安っぽくないキットレンズ≫
X-E2のレビューの時にも書いたが、XF18-55mmF2.8-4 R LM OISから出てくる画像は標準以上のレベル。この小ささに手ぶれ補正機構を組み込んでさらにF2.8からの明るさは他社のキットレンズにはない。

≪フィルムシミュレーションについて≫

スタンダードのプロビア、派手目のベルビア、やさしいアスティアについての差は
http://kazutoku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-17を見てほしい。

薔薇の撮影にはアステアが良いと感じています。やさしい色が薔薇と合う。
http://kazutoku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-19

ポートレート用のプロネガスタンダードとプロネガハイはこの記事を参照のこと。プロネガハイはややスタンダードに比べてコントラストが高くきりっとした感じだ。
http://kazutoku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-04

≪XF56mmF1.2 Rについて≫
室内での撮影ではF1.2のレンズの明るさはありがたい。しかも絞り開放からピントの合ったところはカチッと写る。ボケの部分も自然な感じ。モデルの肌の状態まで分かるほどの写り具合だ。キヤノンのフルサイズイメージセンサー対応EF85mm F1.2L II USMとマイクロフォーザーズのLEICA DG NOCTICRON42.5mm F1.2(手ぶれ補正付き)が20万円と18万円くらいなので、同等の性能で半額であるXF56mmはある意味お買い得だ。ただ、レンズについている絞りリングが少し触れると回る。このようなレンズに不慣れな私は撮影中に意図せず絞り優先モードに入って撮影をしていた。モデルと話していると気づかなかった。(言い訳か。。。)

≪≪まとめ≫≫
X-T1は本当にオールランドの素晴らしいカメラです。特にカメラが作り出す色合いが素晴らしいです。ノイズも不自然ではありません。液晶ビューファインダーの見え方も素晴らしいです。写真を撮る道具として最高です。

DSCF8124 X-T1 (21mm, f/0, 1/120 sec, ISO200)

マニュアルレンズなので絞り値の記録がおかしいが、実際にはF4ぐらい。

DSCF9054 X-T1 (56mm, f/1.6, 1/150 sec, ISO200)

この記事は本家Digital Camera Diaryの以下の記事に基づいています。

http://kazutoku.blog.so-net.ne.jp/2014-04-28

http://kazutoku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-05


XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WRの印象(まとめ)

毎日のように使っていた印象をまとめておきます。(本家ブログより転載です。)

『重さ』
ミーラーレス一眼のレンズとしてはやや重い部類に入り(490g)、気軽に持ち運べるとは言い切れません。
本体(440g)と合わせると1kg弱になります。

『質感』
家電量販店で10万円するので、見栄えもよいですが、18-55mmのレンズと異なり、鏡筒にはゴムが巻かれています。
操作性を考えてのことだと思います。
http://kazutoku.blog.so-net.ne.jp/2014-07-09(18-55mmとの比較)

『防塵防滴構造』
XFレンズ初の防塵防滴構造です。防塵防滴構造のX-T1との組み合わせでは雨の中でも撮影可能です。
海外ではだいたいお約束のようにこんなテストが行われます。

『手ぶれ補正機構内蔵』
5段分の手ぶれ補正は最強です。薄暗い中で撮影しても全く平気です。
高感度に強いX-T1と組み合わせると暗くても撮れないものはないほどです。

『AFも速い』
静かにそして素早く合焦します。

『画質』
蛍石レンズに迫る性能のEDガラスレンズが二枚も奢られ、色収差を押さえ込んでいます。
従ってパープルフリンジもほとんど出ません。
広角端での画像四隅の流れもほとんどの場合気にならない程度です。

続いて比較画像です。
マイクロフォーサーズの高倍率ズームレンズ(260g)を比較対象としました。
XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR 27mm
DSCF1529 X-T1 (18mm, f/7.1, 1/400 sec, ISO320)

M.ZD ED 14-150mm F4.0-5.6 28mm
OLYMPUS DIGITAL CAMERA E-M1 (14mm, f/7.1, 1/400 sec, ISO200)

比較画像です。(左:XFレンズ 右:M.ZDレンズ)
X-T1_EM1

より大きな比較画像へ。

もう一枚 広角端のものを。
XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR
DSCF1535 X-T1 (18mm, f/5.6, 1/250 sec, ISO200)

M.ZD ED 14-150mm F4.0-5.6
OLYMPUS DIGITAL CAMERA E-M1 (14mm, f/7.1, 1/200 sec, ISO200)

比較画像(左:XFレンズ 右:M.ZDレンズ)
X-T1_EM1_2

より大きな画像へ。

二枚ともXF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WRのほうが鮮明です。
値段差がそのまま画質に反映されています。(M.ZD ED 14-150mm F4.0-5.6は64,000円程度。)

最後はLUMIX G X VARIO 35-100mm F2.8の200mm画像とXF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WRの望遠端画像を比較してみました。

XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR 206mm
DSCF1542 X-T1 (135mm, f/5.6, 1/640 sec, ISO640)

LUMIX G X VARIO 35-100mm F2.8 200mm
OLYMPUS DIGITAL CAMERA E-M1 (100mm, f/5, 1/640 sec, ISO200)

比較画像(左:XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR 右:LUMIX G X VARIO 35-100mm F2.8)
X-T1_EM1_3

より大きな画像へ。

この比較ではXF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WRの写真はやや立体感が足りません。ISO感度が640と高かったからでしょうか。
LUMIXレンズはなんとか面目を保ちましたね。